“…..上の方や横の方は、青くくらく鋼はがねのように見えます。
そのなめらかな天井てんじょうを、つぶつぶ暗い泡あわが流れて行きます。

『クラムボンはわらっていたよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
『それならなぜクラムボンはわらったの。』
『知らない。』

つぶつぶ泡が流れて行きます。…..”

宮沢賢治「やまなし」より